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Niwata Collection

Rich-Ray Star

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リッチレイ・スター/1951年(昭和26年)
同じようなデザインで、スタートとかエボニイという名称で、数多くのメーカーから出ていたので、覚えていらっしゃる方は多いのではないでしょうか。
皮製の立派なケースもついています。

戦争が終わってわずか6年、日本中が貧しく、物心両面で大部分の国民が飢えていたころの子供用カメラです。
子供用と言っても、これを買ってもらえるのは裕福な家庭の子供に限られていました。 大多数の子供たちは、うらやましい気持ちで見ているばかりでした。
私は1952年生まれですから、私が生まれる前からあったわけで、確か高校のころまでデパートで見た記憶があります。

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こんなふうにネジをはずして、上に開きます。 フィルムは「ボルタ版」で、写るサイズは24×24ミリです。
エボニイなどは同じフィルム上に24×36ミリの画面サイズでした。

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シャッター速度はBと50分の1秒(くらい)の2種類です。 絞りは一枚の鉄板に開いた2つの穴と全開とで3つの値を変更できるようになっています。
合理的ですね。

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ボディはベークライト製で、子供の手にちょうど良いサイズです。
右はご存知レンズ付フィルム。 合成樹脂、つまりエンジニアリング・プラスチックをまとったハイテクのかたまりです。
想像もしない豊かな社会になりました。

無機質であって無機質な存在ではないオブジェとなって 数十年もの歳月を経て今ここにあります。
永い時が流れたようで一瞬の夢のようでもあります。
存在そのもので時間を表し、見る者の心を試す存在のような物体。
何人の手を経てここに来たのか、また私の死後はだれのものになるのか。
物には絶対の所有者はないと思います。
めまぐるしい変化の時代にあって、今だけでも愛着のある物を身の回りに置きたいと思っています。

少年時代
井上陽水 作詞/作曲

夏が過ぎ かぜあざみ
誰の憧れにさまよう
青空に残された
私の心は夏模様

夢が醒め 夜の中
長い冬が窓を閉じて
呼びかけたままで
夢はつまり 想い出の後先

夏祭り 宵かがり
胸の高なりにあわせて
八月は夢花火
私の心は夏模様

目が醒めて 夢のあと
長い影が夜にのびて
星くずの空へ
夢はつまり 想い出の後先

夏が過ぎ かぜあざみ
誰の憧れにさまよう
八月は夢花火
私の心は夏模様